がん診療連携推進病院の指定を受けている当院では、がん患者さんの病態に応じたより適切ながん医療の提供ができるように、毎月1回、医師、看護師、薬剤師、検査技師、栄養士、ソーシャルワーカーなどの多職種の医療スタッフが参集し、がん患者さんの診断や治療方針を検討しています。
【開催報告】 Cancer Board No17
第17回 Cancer Board
- 製品説明
「切除不能・進行再発大腸がんにおける二次治療のエビデンス」
大腸癌の化学療法において一次治療が増悪後、化学療法を変更しても、ベースのアバスチンを継続することによりOSが伸びるという試験結果が示された。
また、アバスチンを継続することの有用性だけでなく、安全性の高さも同時に示された。 - ミニレクチャー
「がん悪液質に対する免疫栄養療法」 三木 誓雄 院長
当院では、2011年にがんサポート免疫栄養療法センターが開設され、抗がん剤の副作用や栄養状態の低下により、治療が困難となった患者を受け入れて来た。そこで、栄養士や看護師の介入により、プロシュアを中心とした免疫栄養療法が施行され、慢性炎症の低下並びに骨格筋量の増加から、生存期間の延長という結果が得られた。
これまでの取り組みを受けて、今後、当院では栄養介入入院プログラムが予定されている。このプログラムでは、医師、看護師、栄養士、薬剤師、理学療法士などが患者指導を行い、支持療法の向上を通じて化学療法の継続性を高め、生存期間の延長やQOLの向上を目指すものである。
その中で、これまで用いられてきたIn Bodyによる体組成の測定に加え、間接熱量計を用いた基礎代謝の変化についても研究をすすめていく予定である。 - 症例検討
田中副院長より、症例提示された。患者は70歳の女性、左肺癌(扁平上皮癌)、StageⅡaであり、一般的には手術が第一選択であったが、基礎疾患に高血圧、高脂血症、CKD、COPDなどがあったため、手術は見送られ、CDDPベースの化学療法が減量して行われた。2コース施行後、Grade2の腎障害が起こり、プラチナ製剤を含むレジメンは行えなくなった。治療を一旦中止した後、CRが10か月間続いていたが、その後、再発傾向がみられたため、検討の結果、2nd line化学療法として、オプジーボが選択され現在継続中である。 - 地域がん登録の入力状況について
- その他
・次回開催予定日:平成28年12月2日(金)15時より
次回は、消化器肝臓内科によるミニレクチャーと小澤薬剤師からの症例検討を予定しています。