投稿者: cghiga_kanri
リハビリテーション課理念
理学療法・作業療法・言語聴覚療法を必要としている
すべての患者さまに全人的医療を提供すること
業務概要
医師の指示のもと、国家資格である理学療法士・作業療法士・言語聴覚士によるリハビリテーション医療を提供しています。
実施手順
各科医師からのオーダー
↓
担当理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の決定
診療録・画像所見・ミーティング等での情報収集
↓
評価によるリスク・解決すべき問題点の把握
複数の所見確認による症状・病態の原因追究
↓
治療的運動療法、日常生活動作練習の実施
言語療法・摂食嚥下療法 他職種との連携
↓
医師の判断による理学療法・作業療法の終了
個別リハビリテーション実施の様子
外来での理学療法、作業療法、言語療法は全て医師の指示のもとで行い、完全予約制となっています。
症状・病態に応じた高度専門的なリハビリテーションの実施
疾患や外傷後のリハビリテーションを担当していますが、疾患や外傷そのものを治すわけではなく、「疾患や外傷を有する患者さま」を対象としています。疾患別の一般的なプログラムを実施するだけでは患者さま個々の問題を解決できません。また、同じ診断名であっても症状の程度や機能低下の部位などが異なるため、極めて個別性の高い治療が要求されます。
そのため、情報収集と所見確認により機能低下・症状の原因を追究して根拠のある治療を実施すること、患者さまの生活背景や退院先に合わせた治療を展開することに力を入れています。
実施計画に基づくリハビリテーションの実施
評価結果をもとに実施計画書を作成し、個々の問題点に応じた治療プログラムを実施しています。十分な治療時間を確保するために、外来通院患者さまでは予約制としています。また、その日のスケジュールに応じて入院患者さまの実施時間を設定しています。
安全管理された早期リハビリテーションの実施
疾患や外傷の治療に伴う安静臥床により、筋力低下や関節拘縮(硬くなって動かせなくなる)、起立性低血圧(起きると血圧が下がり活動できない)、認知症の進行などの廃用症候群が起こり、早期の社会復帰を妨げます。疾患や外傷そのものの治療期間よりも長くかかることもあります。当院ではこれらを予防し、早期の機能回復、早期の社会復帰を実現するためにできる限り早期にリハビリテーションを開始しています。
しかし、早期の運動、動作は、それだけ危険を伴います。感染、貧血、糖尿病、肝臓・腎臓機能の低下、呼吸不全、疼痛、再骨折・再断裂・脱臼など、多くのことを管理しながら進める必要があります。例えば、手術侵襲・炎症・食事量の低下等で低栄養状態となり、体力を消耗しやすくなっている場合は、運動負荷量を調整する必要があります。
当院では、疾患・外傷の特性、手術内容・手術中所見、検査データ、バイタルサインなどを確認することで「してはいけないこと」を明確にして実施しています。整形外科の手術後では手術の翌日から開始しています。必要に応じて手術前から情報収集や評価を行い、手術後の治療計画に生かしています。
自己管理方法・自己治療技術指導の強化
治療時間だけでなく、その他の時間にも機能回復や動作能力の再獲得、再発予防のための方法を指導しています。例えば、肩関節周囲炎で関節を動かすことができない場合、どこの部位が痛みの原因になっているかを確認し、機能解剖学に基づき、その部位への負担を軽減して炎症を軽くするための動作方法を指導しています。また、骨粗鬆症性脊椎椎体骨折(いわゆる背骨の圧迫骨折)の再骨折予防、肩の関節鏡下腱板修復術後の再断裂予防等のパンフレットを作成し、姿勢や運動、日常生活動作の指導に力を入れています。
他職種との連携
医師や看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー等との連携により日常生活動作の獲得、社会復帰を支援しています。整形外科病棟では、月〜金8:30より医師、看護師(病棟・外来・手術室)、薬剤師、理学療法士・作業療法士によるミーティングを行っています。
医師から新規入院患者さまや手術前後の患者さまの説明が行われ、その後に各職種からの問題提起や提案が行われます。患者さまが獲得した機能・能力を医師・看護師に伝え、日常生活の中で実践するための情報交換の場としています。整形外科回診に週1回同行し、同科のすべての入院患者さまに関する情報交換をしています。その他の病棟も、週1回以上はミーティングに参加し、医師、看護師と協議しながらリハビリテーション医療を実施しています。
また、2021年に院内で発足された がん緩和ケア、整形外科、心不全、誤嚥性肺炎、消化器、救急、在宅支援の各チーム活動にも参加し、質の高い医療の提供と退院支援のためのカンファレンスや院内発表等を行っています。
学術活動・研修への参加および最新の医療への取り組み
既存の評価・治療だけでなく、日々進化する医療を取り入れるよう学術活動・研修に参加しています。研修会後に他のスタッフに伝達し、チームとして質の向上を目指しています。
(機器紹介:運動器超音波エコー)
心臓や胎児の評価によく使われる超音波画像診断装置のうち、場所を選ばず、持ち運びがしやすいポケットタイプのものを2021年2月に購入しました。この機器の最大の特徴は、「動きによる変化」を視覚化できる点です。運動時に骨折部位が動いてしまっていないか、縫合した腱に負担がかかって再断裂の危険が生じていないかなどを確認することができ、安全で効果的な運動療法の実施に役立てています。
腱断裂術後の再断裂予防のために運動器超音波エコーでの動態評価を行いながら理学療法を実施している場面
学生指導を通じた人材育成
院外でご指導いただいている先生方が所属する理学療法士養成校より臨床実習生を受け入れています。実習生への指導を通じて、スタッフの知識向上、指導能力の向上を図っています。
※実習生を受け入れている養成校:5校(県内2校、県外3校)
スタッフ紹介
理学療法士11名・作業療法士3名・言語聴覚士1名が在籍しております。治療に専念できるように事務員1名、助手1名が所属しており、合計17名で運営しています。
主な所属学会・認定資格・関連団体役職
日本理学療法士協会会員
日本作業療法士協会会員
日本言語聴覚士協会会員
日本理学療法士協会 専門理学療法士(運動器理学療法)
日本理学療法士協会 認定理学療法士(循環)
日本理学療法士協会 協会指定管理者(上級)
心臓リハビリテーション指導士
心不全療養指導士
3学会合同呼吸療法認定士
三重県糖尿病療養指導士
介護福祉士
福祉住環境コーディネーター2級
整形外科リハビリテーション学会会員
整形外科リハビリテーション学会 認定指導員A・評議委員・三重南支部代表世話人
腰痛予防労働衛生教育インストラクター(医療・福祉)
日本肩関節学会準会員
日本整形外科超音波学会準会員
主な学術活動
- 著書(共著)
- 整形外科リハビリテーション学会(編):関節機能解剖学に基づく運動療法ナビゲーション(上肢・体幹編および下肢編)改訂第2版,
メジカルビュー社, 2014.
※当課スタッフが2冊で計29ページ執筆 - 中図健(編):下肢運動器疾患の診かた・考え方,医学書院,2016.
※当課スタッフが約40ページ執筆
- 整形外科リハビリテーション学会(編):関節機能解剖学に基づく運動療法ナビゲーション(上肢・体幹編および下肢編)改訂第2版,
- 学術活動
- 日本理学療法学術大会 2演題(2008・2010年)
- 整形外科リハビリテーション学会 学術集会 5演題(2006・2007・2008・2010・2014年)、シンポジスト(2010年)、シンポジウム座長(2015年)
※すべて同学会誌に掲載 - 第27回整形外科超音波学会 演題発表(2015年)
- 第31回東海北陸理学療法学術大会 演題発表(2015年)
- 第43回日本コミュニケーション障害学会学術講演会 演題発表(2017)
- 第12回日本静脈経腸栄養学会東海支部学術集会 演題発表(2018)
- 第15回日本医療マネジメント学会三重支部学術集会 演題発表(2022)
- 第20回三重県理学療法学会 学会長(2009年)
- 第11回日本運動器理学療法学会学術大会 座長(2023)
- 論文掲載 浅指屈筋腱弓における正中神経障害が疑われた手指の運動時痛を呈した症例の理学療法経験.理学療法ジャーナル47(5):457-461,2013.
※他に、東海北陸理学療法学術大会・三重県理学療法学会 座長、整形外科理学療法・介護予防・介助技術等の院外講師・実技指導、市民公開講座 講師等 複数あり
実績
疾患別リハビリテーション実施単位数(2023年1月~2023年12月)
2018/07/03
詳しくはこちら
https://www.cgh-iga.jp/?p=8923
看護部長挨拶
当院は伊賀地域の拠点病院の一つとして、「全人的医療を提供し、広く市民に信頼される病院であること」という病院理念のもと、患者の人権を尊重し、高度で良質な医療・看護の提供に努めています。
看護部においては、「看」の字が「手」と「目」でできているように、「手で触れて、みて、考える看護の実践」を理念に掲げ、皆さんが安心して医療・ケアを受けていただけるよう、看護の質の向上に取り組んでいます。
一人ひとりの看護師が、看護の知識と技術だけでなく、医療人としての倫理観と感性を育み、生き生きと充実感を持って働ける組織でありたいと考えています。
そのため看護教育においては、経年別看護教育を実施するとともに、専門看護師や認定看護師といった資格取得などのキャリアアップ支援も行い、各人の意欲と能力を伸ばしながら、組織全体の成長とレベルアップをめざしています。
また、全国的な看護師不足が問題となるなか、当院では充実感を持って働き続けられる職場環境づくりのため、ワークライフバランスの充実に努めています。育児休業や部分休業をはじめ福利厚生制度の充実を図り、三重県から「女性が働きやすい医療機関」の認証を取得しています。ママナースだけでなくパパナースも子育てに参加できる両立支援や、7日間連続のリフレッシュ休暇100%取得の推進等に取り組んでいます。
今後とも医師や他職種と緊密に連携し、行政や地域の病院、施設、訪問看護ステーション等とも連携しながら、患者さんとご家族の思いを大切にする看護を実践していきたいと思います。
看護部理念
手で触れて、みて、考える看護実践
看護部門目標
その他の主な活動
WLB推進ワークショップ参加 「がんと栄養」研究テーマに取り組む
看護記録「NANDAの看護診断」
電子カルテ導入に向けて
ニュース
認定看護師誕生
感染管理認定看護師
看護管理者認定看護師
看護部教育
伊賀市立上野総合市民病院の看護師に対して、看護部の理念である「手で触れて、みて、考える看護の実践」“看護の基本に忠実で、思いやりのこころで接する”を基本に経年別の教育をしています。
新人看護師は、「新人看護職員研修ガイドライン」に則り、看護技術の基本は模型モデルを使用して集合教育をしています。配属部署では独自のチェックリストを用いて一人の新人看護師につき一人の先輩看護師が寄り添いマンツーマンで支援しています。また、固定チームナーシングで看護ケアに携わっているので、チームで新人看護師の成長を確認しています。
潜在看護師の方が再就職を希望された時は、就職初期段階で技術習得状況、精神面での支援を心がけています。また新人看護師と同じく一人の潜在看護師に一人の先輩看護師が寄り添い支援しています。
看護部全体の教育としては、看護の振り返りが大切であると考え、振り返りシートを使って「心に残った患者さまの看護ケア」を記入し、次年度に向けての看護ケアにつなげています。
外来
外来部門として「接遇マナーの徹底」「心のこもった医療の提供を実現」を目標に日々努力しています。
当院外来部門は、19の診療科、検査科、救急部門の業務を担います。痛みと不安を抱えてお越しくださる患者さんとご家族へ、笑顔と親切な対応を心がけ、日々の診療介助や看護業務に励んでおります。
平成24年より大腸肛門病センター、もの忘れ外来を開始しました。大腸肛門病センターでは、大腸に関する様々な不安をお持ちの方や二次健診の必要な方に受診いただいています。診察により大腸癌の早期発見ができ、肛門手術を受ける患者さまも多くなっています。また、もの忘れ外来で気軽に検査や診察を受けていただけるようになり、ご自宅でお世話を受けているご高齢の方の診察やご相談もお受けしています。
病気に関するご相談やご自宅での生活の不安の軽減を患者さんの目線に合わせて考えることのできる看護の提供に外来スタッフ一丸となって頑張ります。
各病棟
各病棟では、患者さんが安全で安心して入院生活を送っていただけるように患者さんとそのご家族の立場に立った看護をすることを目標にし、日々、看護に当たっています。
病棟は、一般病棟(消化器センター病棟、緩和ケア病棟、内科病棟、整形外科病棟)と地域包括ケア病棟に分かれています。一般病棟には、急性期の患者さん、検査・治療・手術目的の患者さん、集学的医療・緩和ケア目的の患者さん、慢性期で退院に向けて調整されている患者さんがおられます。地域包括ケア病棟には、在宅への退院を予定している患者さん、施設入所が決まっている患者さんがおられます。一般病棟からの転棟以外に、院外からの転院やレスパイトケア目的の入院にも対応しています。
私たちは、常に多くの患者さんが利用できるように、スムーズに入院を受け入れる体制を整えたいと考えています。そして、治療に立ち向かう患者さんの心身を支え、早期に社会復帰・在宅復帰(または他施設へ看護・介護の継続)をできるよう支援する役割を果たすため、私たち看護師は医師や薬剤師、栄養管理士など他職種チームメンバーと連携を図りながら日々努力しています。
各病棟フロアの様子については、こちら(https://www.cgh-iga.jp/?p=6622)でご確認いただけます。
手術・中央材料室
当院手術室では、年間900件程の手術があり、主に月水金は整形外科、火木は外科・乳腺外科の手術をおこなっています。
また、外科、整形外科ともに緊急手術にも対応しています。臨床工学技士を配置しており、器機のメンテナンスにも取り組んでいます。
中央材料室では、器材の適正な管理・提供で患者さんへの安全を確立、維持しています。
団結力があり、フットワークも軽く、患者さまの安全、安心をモットーに日々がんばっています。
院内託児所「バンビ」
院内には託児所もありますので、お子さんがいるスタッフも安心して働いています。
利用時間は看護師の勤務時間に対応していますので、夜間のお預かりも可能です。子どもさんが不安にならないよう、家庭的な落ち着いた雰囲気作りを大切にしています。
伊賀市立上野総合市民病院では、地域住民の皆さまの健康づくりをサポートさせていただくために、「出前講座」を開催しております。ぜひ日々の健康づくりにご活用ください。
出前講座とは
地域の皆さまからのご依頼で、伊賀市立上野総合市民病院の医療スタッフが講師として希望の会場に伺って、ご要望に応じた医療等に関する講座を開催します。
出前講座のテーマ
(一例)
- 高齢者の健康管理
- 生活習慣病、高血圧
- 脳卒中
- 寝たきり予防のための運動
- 健康寿命を延ばす食生活
- 整形外科疾患の予防(腰痛、骨折など)
- 認知症に関すること
- 感染対策に関すること(感染対策を目的としたラウンドも可能)
- がん看護に関すること
リクエストにあわせて講演させていただきます。
対象
地域住民、市民団体、自治会など
参加予定人数 10名以上
以下の場合は対応できません。
- 営利を目的として開催するもの
- 宗教を目的として開催するもの
- 政治を目的として開催するもの
- 反社会的、その他目的に反すると病院が判断した場合。
出前日時
平日 13時~16時 (土・日曜日、祝日はご相談ください)
時間 60分程度
会場
会場の確保、準備、調整等は、お申し込みいただいた団体でご準備ください。
(会場借用の手続き、費用等は申込者にて負担ください)
料金
講師派遣費用、謝礼等は不要です。
申込み方法
開催日の概ね2ヶ月前までにご連絡ください。
下記の出前講座申込用紙に必要事項を記入の上、当院 地域医療連携室までお申し込みください。
(講座内容により、別に講師派遣依頼書も提出いただく場合があります)
郵送またはFAXをお願いいたします。また、お電話でも受付いたします。
地域医療連携室
電話 0595-24-1111(代表)
FAX 0595-41-0068(直通)
受付時間 8:30〜17:00(平日のみ)
伊賀地域二次救急実施病院
実施時間帯
上野総合市民病院
平日:午後5時〜翌日午前8時45分
土・日・祝日・年末年始:午前8時45分〜翌日午前8時45分
ご連絡先
TEL:0595-24-1111
救急車での搬送限定ではありませんが、必ず事前に連絡が必要です。
伊賀市コホート研究・全国がん登録情報利用の
オプトアウトについて
二次検査(再検査や精密検査)について
伊賀市健診センターで健診を受けられ異常が見られた方は、上野総合市民病院での二次検査(再検査や精密検査)を強く薦めます。
伊賀市健診センターと上野総合市民病院は共通の診断・医療機器を用いています。診断・医療機器の差異による微妙な誤差は無く、異常所見に的をしぼった精度の高い二次検査を行えます。 健診担当医師と二次検査を行う医師が、電子カルテの検査結果を共有し緊密に連携することができるため、異常所見の医学的検討を十分に行うことができます。
以上により、健診で異常が指摘された方は、お気軽に上野総合市民病院を受診してください。二次検査を受けることで、健診時の異常所見が医学的には異常でないこともあります。また、病気が発見された場合でも上野総合市民病院の常勤専門医が迅速に治療を行います。
専門医一覧
- 消化器病専門医
- 消化器内視鏡専門医
- 大腸肛門病専門医
- 消化器外科専門医
- 肝臓専門医
- 乳腺専門医
- 整形外科専門医
- 脳神経外科専門医
- 総合内科専門医
- 循環器専門医
- 脳神経内科専門医
乳がん検診について
平成29年4月より女性技師2名体制でデジタル・マンモグラフィの撮影を行っております。
肺がんドックについて
肺がんドック
日本人の死因のうち約6割を占めるのが生活習慣病であり、なかでも死因の第1位であるがんは日本人の半数がかかっており、日本人の3人に1人が”がん”で亡くなっています。とりわけ、肺がんは、日本人のがんによる死亡数のトップになっています。
しかし今は、早期発見や治療によって約8割が治るようになりました。
健診(検診)は発病してからではなく、健康な状態のうちに受診してこそ意味があります。「時間がない」「元気だから大丈夫」などと考えず自分の健康のため、ぜひ定期的に受診してください。肺がんの早期発見のため受診をお勧めいたします。
検査項目 | 検査内容 |
診察 | 血圧、問診、身体計測 |
腫瘍マーカー | CEA、CYFRA(シフラ) |
CT検査 | マルチスライスCT(80列)(胸部) |
ごあいさつ
外科では、粉瘤や脂肪腫などの皮下腫瘤の切除や胃、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓などの消化器疾患や乳腺疾患に対し、手術を行っています。
消化器がん(胃がん、大腸がん、肝・胆・膵がんなど)はもちろんのこと、腹部救急疾患(消化管穿孔や腹腔内出血など)、大腸肛門疾患(痔核・痔瘻や直腸脱など)など、幅広い疾患に対応が可能であり、専門性の高い外科治療を提供しています。
当科では、からだに負担の少ない腹腔鏡手術(おなかに小さな穴をあけてする手術)を積極的に取り入れています。すべての患者さんに腹腔鏡手術が出来るわけではありませんが、全身麻酔の危険が少ない患者さんやおなかの手術の既往の無い患者さんに対しては、腹腔鏡手術をお勧めしています。具体的には、鼠径ヘルニア、胆石症、胆嚢炎、虫垂炎、食道裂孔ヘルニアなどの良性疾患をはじめ、胃がん、大腸がんに対しても、腹腔鏡手術を行っています。近年では、3D腹腔鏡システムを導入し、腹腔鏡手術の割合が増えています。
進行がんの患者さんや手術後再発を来てしてしまった患者さんについては、腫瘍内科と連携をとりながら、化学療法(抗がん剤:直接がんをやっつける薬や分子標的薬:がんを育たないようにする薬、免疫療法:がんに対する免疫を活発にする薬など)を行い、根治(完全に癌を治すこと)及び余命の延長を目指しています。
また、残念ながら、がんの制御が出来なくなったり、治療が行き詰ってしまったり、治療が続けられなくなってしまった患者さんに対しては、痛みや苦痛をとるための緩和医療も行っています。
スタッフは三枝 晋、藤川 裕之、福持 皓介、渡辺 修洋の4名です。田中 光司(一般外科・総合診療科)、毛利 智美(乳腺外科・一般外科)、櫻井 洋至(肝胆膵・移植外科)の3名もそれぞれの専門分野で治療に加わり、質の高い外科治療が提供できるよう努めています。
地域のみなさまに信頼され、患者さん・ご家族に満足していただくために、スタッフ一同、精一杯日々の診療に当たらせていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。
外科 医師スタッフ紹介
- 卒業
- 平成10年【防衛医科大学】
- 専門
- 消化器外科・一般外科
- 職名
- 主任外科部長
感染防止対策部室長
- 資格
-
- 医学博士
- 日本外科学会 外科専門医・指導医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- 日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医
- 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
- 日本消化器外科学会 評議員
- 日本臨床外科学会 評議員
- インフェクションコントロールドクターICD(日本外科感染症医学会)
- 臨床研修指導医
- 卒業
- 平成15年【三重大学】
- 専門
- 消化器外科・一般外科
- 職名
- 外科部長
- 資格
-
- 医学博士
- 日本外科学会 外科専門医・指導医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- 日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医・指導医
- 日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医
- 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
- 日本消化器病学会 消化器病専門医
- 臨床研修指導医
- 卒業
- 平成28年【三重大学】
- 職名
- 外科医長
- 資格
-
- 日本外科学会 外科専門医
- 卒業
- 令和3年【三重大学】
- 卒業
- 平成5年【福井医科大学】
- 専門
- 乳腺外科・一般外科
- 職名
- 外科部長
乳腺外科部長
- 資格
-
- 医学博士
- 日本外科学会 認定医・外科専門医・指導医
- 日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医
- 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
- 日本乳癌学会 乳腺認定医・乳腺専門医
- 日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医・指導医
- 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医
- 日本消化器病学会 消化器病専門医
- 日本乳がん検診精度管理中央機構 検診マンモグラフィー読影認定医
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- インフェクションコントロールドクターICD(日本外科感染症医学会)
- アメリカ外科学会フェロー(FACS)
- 日本臨床外科学会 評議員
- 卒業
- 平成5年【三重大学】
- 専門
- 一般外科・総合診療科
- 職名
- 院長
放射線科部長
- 資格
-
- 医学博士
- 日本外科学会 外科認定医・専門医・指導医
- 日本消化器外科学会 消化器外科専門医・指導医
- 日本消化器外科学会 評議員
- 日本大腸肛門病学会 大腸肛門病専門医・指導医
- 日本がん治療認定機構 がん治療認定医
- 日本消化器病学会 消化器病専門医
- 日本食道学会 食道科認定医
- 日本小児外科学会 小児外科認定医
- 日本消化器病学会 指導医
- 日本救急医学会 救急認証資格者
- 卒業
- 昭和63年【三重大学】
- 専門
- 肝胆膵外科、消化器外科、一般外科
- 職名
- 副院長
- 資格
-
- 医学博士
- 日本外科学会 認定医・外科専門医・指導医
- 日本消化器病学会 消化器病専門医
- 日本消化器外科学会 認定医・消化器外科専門医・指導医
- 日本移植学会 移植認定医
- 日本医学教育学会 医学教育専門家
- 臨床研修指導医
- 臨床研修プログラム責任者
- 難病指定医
- 日本肝臓学会 専門医・指導医
- 日本癌治療学会 臨床試験登録医
- 日本肝胆膵外科学会 評議員・高度技能指導医
- NPO法人卒後臨床研修評価機構サーベイヤー
- 東海外科学会 評議員
- 消化器病学会 東海支部評議員
- 三重大学医学部非常勤講師
- コンケン大学(タイ)国際教授
- コアウィラ大学(メキシコ)名誉教授
- NPO法人MMC卒後臨床研修センター長
- 臨床実習後OSCE認定評価者
- NPO法人卒後臨床研修評価機構 訪問調査者
- 三重県医師会 男女共同参画委員
外科のご案内
スタッフ
常勤三枝 晋 |
非常勤大井 正貴 |
2021年度主たる手術の症例数
疾患 |
症例数 |
肛門疾患(痔核・痔瘻など) |
32 |
ヘルニア(鼡径・臍・腹壁ヘルニアなど) |
60 (42) |
虫垂炎 |
20 (19) |
腸閉塞 |
10 (0) |
胆石症・胆嚢炎 |
36 (27) |
胃がん(十二指腸がん含む) |
20 (10) |
大腸がん(結腸・直腸がん) |
48 (15) |
肝胆膵がん |
9 |
年間の総手術件数(局所麻酔、脊椎麻酔、全身麻酔下手術)は、387例でした。
腹腔鏡手術について
腹腔鏡手術は全国的にも急速に拡がっており、開腹手術に比べ、手術中の出血が少ない、術後の痛みが少ない、回復が早い、術後肺炎のリスクが少ないなどの利点があります。
実際当院で腹腔鏡手術を受けられた患者様でも、手術の翌日から病棟を歩いています。胃腸の手術であっても術後3日目には食事を始めることができます。
腹腔鏡の手術の実際についてですが、これは手術専用のカメラ(腹腔鏡)を用いて、お腹の中に炭酸ガスを入れて膨らませた状態で、専用の器具(鉗子類)で行う手術です(図1、図2)。
創は10mm前後の小さなものが3〜5箇所(数は手術の内容によって数が変わります)で、うち1箇所は臍となることがほとんどです(図3)。胃や大腸の手術では切除した部分をこの臍から取り出すことが多く、最終的には臍の傷は4-5cmほどになります。
上野総合市民病院外科においては、早期を中心とした胃がん、他の臓器に及んでいない大腸がんといった消化器がんに対して、積極的に腹腔鏡手術を行っております(図4)。
2018年度より、3D腹腔鏡システムを導入し、より質の高い手術に心がけています。
上野総合市民病院外科においては、早期を中心とした胃がん、他の臓器に及んでいない大腸がんといった消化器がんに対して、積極的に腹腔鏡手術を行っております(図4)。また、急性胆嚢炎を含む胆石症では60.0%、鼠径ヘルニアに対して60.4%と高い確率で腹腔鏡手術が施行可能です(令和2年度診療実績)。
さらに、急性虫垂炎はもとより、発症から時間があまり経過していない胃や十二指腸の穿孔、絞扼性腸閉塞といった緊急性の高い救急疾患に対しても施行しており、合併症が少なく良好な成績をおさめております。
安全・確実な腹腔鏡手術
当科は、適切な知識・技術・機器の元で、スタッフが協力しあって安全な腹腔鏡手術を行っております。対象となる疾患も拡大し、今後も腹腔鏡手術の件数・割合が増加する見込みです。しかしそればかりにとらわれることはなく、複数の開腹手術を受けたことがある症例や、腫瘍が大きすぎて腹腔鏡での視野が取れない症例など、安全面で適切でないと判断した場合は無理に腹腔鏡手術を行うのではなく、開腹手術を選択しております。
腹腔鏡手術をご希望される方や、腹腔鏡手術についてお聞きになりたいことがある方は、ご遠慮なく外科スタッフまでおたずねください。
学会施設認定
- 日本外科学会専門医修練施設
- 日本消化器外科学会専門医修練施設
- 日本消化器病学会認定施設
- 日本大腸肛門病学会認定施設
研究情報公開について(オプトアウト)
臨床研究を行う場合、文書もしくは口頭で研究の説明をし、同意をしていただきますが、患者さまへの侵襲や介入がなく診療情報のみを用いた研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまお一人ずつから直接同意を得る必要は無くてもよいことになっています。
しかし、研究責任者は、研究の目的や実施についての情報を公開し、さらに診療情報使用に関しての拒否の機会を保障することが必要とされています(このような手法を「オプトアウト」と言います)。
当科でのオプトアウトを用いた臨床研究は下記の通りです。研究への参加・協力を希望されない方は、お知らせください。
伊賀市立上野総合市民病院 倫理委員会承認
- 伊病総第1884-1号「消化器外科疾患に対する安全な低侵襲手術法の評価」
- 伊病総第1884-2号「消化器外科疾患に対する次世代集学的治療法の評価」
- 伊病総第501号「乳腺疾患に対する診断効率向上と、乳癌の治療効果予測因子、予後予測の検討研究」
- 伊病総第417号「消化器がんRNA早期診断研究」
- 伊病総第675号「COVID‐19に関するレジストリ研究(COVIREGI-JP)への参加」
- 伊病総第683号「消化器がん・肺がんRNA早期診断研究
(文部科学省研究課題名:コホート保存検体RNA解析による消化器癌・肺癌早期診断マーカーに関する研究)」 - 伊病総第278号「伊賀市立上野総合市民病院における乳がん診療と画像診断について」
- 伊病総第289号「切除不能進行再発大腸癌患者の炎症・栄養状態に対する補中益気湯の有効性・安全性に関するランダム化比較試験(AMATERAS study:特定臨床研究)」
伊賀市立上野総合市民病院
〒518-0823三重県伊賀市四十九町831番地
電話:0595-24-1111
FAX :0595-24-2268
Eメール:byouin-soumu@city.iga.lg.jp
研究責任者 田中 光司
伊賀市健診センターは、伊賀市の健康増進施策の一環として整備され、疾病予防の観点から生活習慣病などの早期発見・早期治療の取り組みを進めるための拠点施設です。
「予防」と「健康」をテーマにした健診事業
多くの病気やそのリスクが健診で見つかることから、より多くの方に健診を受けていただき、早期発見・早期治療の機会を提供できるよう活動していくことが私たちの使命と考えています。
これからも皆様に信頼され、ご満足いただけるよう健診事業の質を高める努力を続け、地域社会に貢献してまいりたいと考えております。
お問い合わせ・予約
電話:0595-24-1186 FAX:0595-24-1123 e-mail:byouin-jimu@city.iga.lg.jp
二次検査(再検査や精密検査)について
伊賀市健診センターで健診を受けられ異常が見られた方は、上野総合市民病院での二次検査(再検査や精密検査)を強く薦めます。 伊賀市健診センターと上野総合市民病院は共通の診断・医療機器を用いています。診断・医療機器の差異による微妙な誤差は無く、異常所見に的をしぼった精度の高い二次検査を行えます。 健診担当医師と二次検査を行う医師が、電子カルテの検査結果を共有し緊密に連携することができるため、異常所見の医学的検討を十分に行うことができます。 以上により、健診で異常が指摘された方は、お気軽に上野総合市民病院を受診してください。二次検査を受けることで、健診時の異常所見が医学的には異常でないこともあります。また、病気が発見された場合でも上野総合市民病院の常勤専門医が迅速に治療を行います。
専門医一覧
- 消化器病専門医
- 消化器内視鏡専門医
- 大腸肛門病専門医
- 消化器外科専門医
- 肝臓専門医
- 乳腺専門医
- 整形外科専門医
- 脳神経外科専門医
- 総合内科専門医
- 循環器専門医
- 脳神経内科専門医
健診管理課理念
万一、疾病が発見された時は、上野総合市民病院との連携により
早期の治療と最大のケアを目指します。
業務内容
当健診センターでは、地域の医療機関と連携して進めるマルチスライスCT検査(80列)、MRI検査(1.5テスラ)をはじめ、ドック健診、生活習慣病予防検診、脳ドックなどの総合・複合的検査業務と生活習慣病などの予防啓発を進めております。 近年の病気は多様化が進み、がんを例にとると、一昔前まで、圧倒的な割合を占めていた胃がんが現在では減少傾向にあって、肺がん、大腸がん、乳がんなど種々のがんの割合が増加するなど、複数の検査を同時期に行う複合型検査の重要性が高まっています。 これを受けて当健診センターでは、従来型ドック健診をはじめ、マルチスライスCT検査、MRI検査、血液検査、超音波検査などを組み合わせた総合健診など、複合的に検査ができる健診メニューを多く設けるとともに、医師による面談や結果説明なども併せて実施し、総合的な疾病予防の取り組みに力を注いでまいります。
生活習慣病予防健診
尿検査、生化学検査、循環器系検査、消化器系検査など、男性14項目・女性18項目の検査(医師診察を含む)を約3時間で行います。
人間ドック(日帰り)
上記「生活習慣病予防健診」検査項目に腫瘍マーカー検査、超音波検査、骨密度検査などを加えた、男性27項目・女性31項目の検査(医師診察を含む)を行います。
人間ドック(一泊)
上記「日帰りドック」検査項目に糖負荷試験、甲状腺検査、マンモグラフィ、乳房超音波検査、などを加えた男性33項目・女性38項目の検査(医師診察を含む)を行います。 宿泊については、伊賀市内のホテルと連携し、1日目の健診終了後には、ゆっくり温泉とお食事を楽しんでいただき、心も体もリフレッシュしていただけます。
婦人検診
女性の乳がん罹患率は増加の傾向にあり、若年令化も進んでいます。触診検査(希望者)に加え、超音波検査やデジタル・マンモグラフィ検査を併用し、早期発見に努めます。